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自分の子を厳しく育てるつもりで、叱る時に酷い言葉を使うと、子どもの脳は変形し、その後の発達に大きく影響していることが明らかになった研究

言葉の暴力 個人的探究

近年の研究によると、親の暴言や言葉による虐待は子どもの脳の発達に深刻な影響を及ぼすことが明らかになってきました。

体罰以上に危険な「言葉の暴力」は、子どもの将来にも大きな影響を及ぼすと専門家が警鐘を鳴らしています。

親が暴言を吐く理由は様々ですが、親自身がかなえられなかった夢を子どもに実現させようとして、スパルタ教育を施し、時には暴力を振るっていても「こうすることが子どもの幸せになるのだから、心を鬼にして叱咤激励するしかない」と信じていることが少なくないです。

そして、一部の親は自分が正しいと思い込んでおり、子どもを攻撃している自覚も支配している自覚もないことがあります。

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「言葉の暴力」は体罰を上回る危険性

泣きじゃくる子ども

最新の研究では、このような言動が子どもの脳の発達に及ぼすリスクが、体罰を上回ることも指摘されています。

親の暴言は子どもの認知、情動、社会性の発達に深刻な影響を及ぼし、長期的な視点から見ると、体罰以上に危険であることが明らかになってきました。

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親の暴言が子どもの脳を「変形」させる

暗い部屋で下を向いている子ども

最新の研究によると、親の暴言は子どもの脳の発達に深刻な影響を及ぼすことが明らかになってきました。

親が子どもに対して暴言を吐くと、子どもの脳の一部が「変形」すると言われています。

具体的には、長期間にわたって暴言にさらされた子どもの脳は、側頭部にある「聴覚野」の一部が肥大し、聞こえや会話、コミュニケーションがうまくできなくなることがわかっています

子どもの時に受けた親からの言葉が、成人後も心の傷となっている事例が報告されています。

特に、兄弟を比較したり、子どもを自分の子供ではないと言うような言葉は、子どもの将来の人間関係に大きな影響を与えることが分かっています。

  1. 激しい体罰の脳への影響:
    小児期に過度の体罰を受けた人々の脳では、前頭前野の一部である右前頭前野内側部の容積が平均で19.1パーセント小さくなっていました。また、集中力・意思決定・共感などに関わる右前帯状回も16.9パーセントの容積減少が見られ、物事を認知する働きを持つ左前頭前野背外側部も14.5パーセント減少していました。
  2. 両親のDV目撃による脳への影響:
    DVを平均4.1年間目撃して育った人は、視覚野(ブロードマン18野:舌状回)の容積が平均16パーセント減少していました。また、言葉によるDVを目撃した人の方が、身体的DVを目撃した人よりも、脳のダメージが大きかった。具体的には、視覚野の一部で夢や単語の認知に関係する舌状回の容積が、身体的DVは3.2パーセントの減少に対して、言葉によるDVでは19.8パーセントの減少と6倍にもなっていました。
心理学ワールド 80号 罰 体罰や言葉での虐待が脳の発達に与える影響 | 日本心理学会 (psych.or.jp)
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親の「言葉による虐待」の具体的な例と発言内容

親に強く叱られている子ども

1. 子供の人格否定

親が子供に対して頻繁に人格否定をすることは、子供の自己価値感を著しく低下させます。以下はその具体的な発言例です。

  • 「お前は本当に役に立たない」
  • 「何をやってもダメだな」
  • 「どうしてお前はそんなに馬鹿なんだ?」

2. 比較による否定

兄弟や他の子供と比較して子供を否定することは、子供の自己評価を下げ、自信を喪失させる原因となります。

  • 「お兄ちゃんはあんなにできるのに、どうしてお前はできないんだ?」
  • 「隣の子は優秀なのに、お前は全然ダメだ」
  • 「お前は誰にも負けてばかりだな」

3. 無価値感の植え付け

子供の存在や行動を無価値だと感じさせる発言は、子供の精神的成長を阻害します。

  • 「お前なんていなくてもいい」
  • 「お前のせいで私たちは不幸だ」
  • 「どうして生まれてきたのか、全然分からない」

4. 過剰なプレッシャー

子供に過度な期待をかけ、その期待に応えられないと厳しく批判することは、子供にとって大きなストレスとなります。

  • 「この成績じゃ話にならない」
  • 「もっと頑張らないと家族全体に迷惑をかけるんだぞ」
  • 「この程度で満足するな、もっと上を目指せ」

5. 愛情の欠如を示す発言

愛情を感じさせない言葉は、子供の心に深い傷を残します。

  • 「お前なんか愛していない」
  • 「本当にがっかりだ」
  • 「お前にはもう期待していない」

6. 罵倒や脅し

暴言や脅しを用いることで、子供は常に恐怖を感じながら生活することになります。

  • 「今すぐ出て行け」
  • 「二度と顔を見せるな」
  • 「また失敗したら許さない」
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まとめ

自分自身、子どもとした約束をあっさり破られたときに愛情の欠如を示す「本当にがっかりだ」を言ってしまったことがあります。

「その時の1度だけです」と言い訳をしても、きっと子どもの心は深く傷ついてしまったに違いありません。

児童虐待は子どもの脳に深刻な影響を及ぼし、その人格形成にも影響を与えることがわかりました。

しかし、脳は経験によって再構築される可能性を持っており、適切な治療とケアにより回復することが可能と言われています。

親が子どもに対して責任を持ち、子どもの発達を見守ることが重要であり、親自身も社会からの支援を必要としています。

しかし、ここで問いかけたいのは、「子どもへの愛情」はどのように表現されるべきでしょうか?

虐待を受けた子どもが親になったとき、その経験が子どもへの虐待につながる可能性があるという事実をどう受け止めるべきでしょうか?

私たちは、子どもたちの良い未来に光を当てるために、どのような行動を起こすべきでしょうか?