大学を卒業し新たにビジネスの世界への第一歩を踏み出してから現在まで経済環境や労働市場の状況は大きく変化しました。
また、現在勤めている企業の労働条件などの雇用にも変化がありました。
さらには、若者の「職業観」が「就社」から「就職」に変化し、入社して3年以内の早期退職の検討をしています。
これまで4社の転職をしてきましたが、他人と比べたことで生まれた不満からもし離職の意思を持った場合、実際に行動に移すのはなかなか難しいものです。
他人と比べたことで生まれた不満から発生する離職の意思は負の要因です。
自分自身の経験を振り返りながら、離職の意思を持った時にどうしたらよかったのか、サラリーマンとしてビジネスの世界で働いている立場から考えてみたいと思います。
世代による経済環境と労働市場で違う離職感
大学卒業後の就職活動時期の経済環境や労働市場の状況は、世代ごとのキャリアに大きな影響を与えます。
バブル景気の時期に卒業した世代は、企業が積極的に採用を行い、多くの若者が安定した職に就くことができ、賃金も高く設定され、将来のキャリアパスが明るく見えたと思います。
1980年代後半から1990年代初頭にかけて、求人倍率が非常に高く、多くの学生が複数の内定をもらうことができた時代がありました。
この時期に就職した世代は、経済的に安定した生活を送りやすかったのです。
一方、1990年代半ばから2000年代初頭にかけての「失われた10年」と呼ばれる不況期に卒業した世代は、企業が採用を控え、多くの若者が非正規雇用や派遣社員として働くことを余儀なくされました。
1997年から2001年にかけての金融危機の影響で、多くの企業が倒産やリストラを行い、新卒採用の枠が大幅に減少してしまったため、就職先の選択肢が限られ、賃金も低めに設定されることが一般的でした。
このような経済環境の違いが、世代ごとのキャリアに大きな影響を与え、職場での不満や離職の動機を強める要因となっていました。
産業構造と雇用慣行の変化
産業構造の変化や各産業の雇用慣行も、離職率に大きな影響を与えます。
技術の進歩により新しい産業が生まれ、従来の産業が衰退することがあります。
2000年代初頭のITバブル期には、インターネットの普及とともにIT産業が急成長し、多くのスタートアップ企業が生まれ、多くの若者がこの分野でキャリアを築くようになり、高い給与や自由な働き方を提供する企業が増える一方で、伝統的な製造業や農業などの産業は、徐々に労働力を失い、雇用機会が減少する傾向にあります。
また、各産業の雇用慣行の違いも、離職率に影響を与えます。
GoogleやFacebookなどのテクノロジー企業などのIT業界ではフレックスタイムやリモートワークなど、社員に自由な働き方を提供し、創造性や自主性を重視し、柔軟な働き方が一般的ですが、伝統的な製造業や金融業界では、厳格な勤務時間や職場の規律、長時間労働が求められることが多いです。
前に働いていた会社は、働き方の自由度が低く、これが若者の不満を招き、若者が早期に離職する傾向でした。
日本的な雇用スタイルの変化
日本の「終身雇用」や「年功賃金」といった伝統的な雇用スタイルが徐々に衰退し、企業側も柔軟な労働市場に対応する必要が生じています。
かつて、日本の多くの企業は、新卒社員を長期的に育成し、年齢や勤続年数に応じて賃金を上げる「年功序列」のシステムを採用していました。
このシステムは、安定した雇用を提供する一方で、個々の社員の実績や能力に関係なく昇進や昇給が行われるため、モチベーションの低下を招くことがありました。
しかし、バブル崩壊以降、多くの企業が経済的なプレッシャーに直面し、コスト削減のために終身雇用や年功賃金を見直すようになりました。
2000年代に入ってから、ソニーやパナソニックなどの大手企業は、年功序列を廃止し、多くの企業が成果主義や職務給を導入し、社員の実績や能力に応じて評価するシステムに移行し、社員のモチベーションを高めるとともに、競争力を維持しようとしました。
このような企業要因の変化も経験しました。若者にとって安定した職場環境が喪失することで、離職の動機を強める要因となっていました。
若年者の職業観の変化
若年者の職業観も、「就社」から「就職」へと変化してきています。
かつては、一つの企業で長期間働くことが一般的でしたが、現在では自分のキャリアを重視し、複数の企業を渡り歩くことが一般的になっています。
2000年代以降、若者の間で「ワークライフバランス」や「自己実現」といった価値観が重視されるようになり、一つの企業に縛られることなく、自分のスキルや興味に応じたキャリアパスを選択するようになりました。
例えば、フリーランスやスタートアップで働く若者が増加している傾向は、フリーランスとして働くことで、自分のペースで仕事を進めることができ、興味のあるプロジェクトに参加する機会を得ることができます。
また、スタートアップで働くことで、新しいアイデアを実現するチャンスが増え、自己成長を感じることができます。
個々人の職業観の変化が、早期離職を促進する要因となっているかもしれません。
自分のキャリアを主体的に選び、フリーランスとして働くITエンジニアやデザイナー、スタートアップの創業メンバーとして活躍する若者たちの中に成功を収めている姿もあるからかもしれません。
他人との比較で生まれた不満は負の要因
もし他人と比べることで生まれた不満により発生した離職の意思が実際の行動に変わりそうであれば、それは乗り越えた方が良いです。
1. 自己分析と目標設定
まず、自分自身の価値観や目標を明確にすることが重要です。
自己分析を通じて、キャリアの中で何を達成したいのか、どのようなスキルを身につけたいのかを具体的に考え、自分が本当に求めているものが何かを理解し、それに基づいて現実的な目標を設定しましょう。
自分の目標を明確にすることで、モチベーションを高め、不満を軽減することができます。
2. 他人と比べることを避ける
他人との比較は、不満を生む大きな要因となります。他人の成功や状況を基準にするのではなく、自分自身の進捗や達成を基準にし、日々の小さな成功や成長を認識し、自己評価を高めることが大切です。
毎日の業務で達成した小さな目標や改善点を記録し、それを振り返ることで、自分の進歩を実感することができます。
自分自身の進捗に焦点を当てることで、他人との比較による不満を軽減することができます。
3. 職場でのコミュニケーション
職場での不満は、しばしばコミュニケーションの不足から生じます。
オープンなコミュニケーションができる上司や同僚との対話を通じて、自分の考えや感情を共有し、解決策を見つけ、職場環境を改善し、満足度を高めることが重要です。
あるIT企業では、定期的な1対1のミーティングを実施し、社員が上司に対して自由に意見や不満を伝える機会を設け、このような取り組みにより、社員の不満が早期に解決されて、離職率の低下につながるようにしています。
4. スキルアップと自己啓発
現職においてスキルアップや自己啓発の機会を積極的に探しましょう。
新しいスキルを身につけることで、キャリアの成長を実感でき、自信がつき、不満の原因となる要素を減らすことができ、離職の意思を抑えることができます。
スキルアップを図ることで、自己成長を実感し、離職の動機を弱めることができます。
5. ワークライフバランスの見直し
仕事と生活のバランスを見直すことも重要です。過度なストレスや疲労は、不満を増大させ、離職の意思を強める要因となるため、適度な休息や趣味の時間を確保し、心身の健康を維持することが大切です。
ある企業では、社員が自由に休暇を取れる制度を導入し、働き方を見直し、ワークライフバランスの取れた生活を送ることを重視することで、社員の満足度を高め、離職率の低下につながるようにしています
まとめ
経済環境や産業構造、企業の雇用慣行、そして個人の職業観など、多様な要因が早期離職に影響を与えます。
しかし、他人と比べることで生まれる不満を克服するためには、自分自身の目標を明確にし、自己成長を意識し、コミュニケーションを大切にし、スキルアップを図り、ワークライフバランスを見直すことが重要です。
- まず自己分析を通じて自分の価値観や目標を明確にし、それに基づいて現実的な目標を設定します。
- 次に、他人と比較することを避け、自分自身の進捗や達成を基準に自己評価を行います。
- また、職場でのオープンなコミュニケーションを通じて不満を共有し、解決策を見つけます。
- そして、スキルアップや自己啓発の機会を積極的に探し、キャリアの成長を実感することで、不満の原因を減らします。
- 最後に、仕事と生活のバランスを見直し、適度な休息や趣味の時間を確保することで、心身の健康を維持します。
これらの対策を講じることで、離職の意思を行動に移す前に乗り越えることができると願っています。