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涙は出るのに目に乾燥感があって痛いのは、隠れドライアイが原因かもしれません - 目の潤いではなく脳に問題がある「痛覚過敏型ドライアイ」かも?

涙は出るのに目が痛いのは、隠れドライアイかもしれません セルフメディケーション

ドライアイは女性の方が男性の約2倍になりやすいことが知られています。また、年齢が上がるにつれてドライアイの人が増えていきます。特に40歳以上の成人の17.4%がドライアイだと報告されています。

友人が「最近、目が乾いて痛いんだよね」と話していました。その人は目薬を使っているのに、なかなか症状が改善しないと言っています。ドライアイは、涙の量が少なかったり、質が悪かったりするから目が乾くと思われがちですが、実はそれだけではないようです。

ドライアイの診療ガイドラインによると、ドライアイには2つの原因があるそうです。一つは「涙液減少型」で、涙の量が減少するタイプ。もう一つは「蒸発亢進型」で、涙の質が悪くなるタイプです。

しかし、この友人のように、涙の量や質が保たれているのに、強い乾燥感や痛みを感じる人もいるそうです。なぜ、目の表面に異常がないのに、こんなに辛い症状が出るのでしょうか?

涙の量や質が保たれているのに、強い乾燥感や痛みを感じるドライアイについての研究がありました。

従来のドライアイは、涙液の量や質の低下によるものとされてきましたが、田川氏の研究では、涙液の量や質が保たれているにもかかわらず、強い乾燥感や痛みを感じる患者がいることに注目しました。このような患者では、眼の神経が過敏になっているだけでなく、中枢神経である脳も過敏な状態に陥っている可能性があると考えられました。

田川氏の研究では、機能的MRI(fMRI)を用いて、ドライアイ患者の脳の血流を測定し、健常者と比較しました。その結果、慢性眼痛患者では、両側の背側前部帯状回と後部帯状回の結合が有意に減弱していることが明らかになりました。これにより、痛みの抑制中枢である前部帯状回が正常に機能せず、眼痛の慢性化を引き起こしていることが示唆されました。

機能的MRIを用いた痛覚過敏型ドライアイの新しい分類と診断法の確立
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重度のドライアイ患者の約20%が涙の量や質に異常がない

重度のドライアイ患者の約20%が涙の量や質に異常がない

ドライアイは一般的に、涙の量が少ないか、質が悪いために目が乾燥する状態だと考えられています。でも、最近の研究では、涙の量や質が普通なのに、強い乾燥感や痛みを感じる患者がいることがわかってきました。ある調査では、ドライアイの患者の約20%が涙の量や質に異常がないのに、重い症状を訴えていたそうです。

このような症状は、単に涙の問題だけではなく、脳の中の神経回路の変化が関係しているかもしれません。つまり、目の乾燥感や痛みを感じるのは、脳の中の神経の働きが乱れているからかもしれないという仮説が考えられています。このことから、ドライアイを理解するには、涙の物理的な側面だけでなく、脳の働きにも注目する必要があると言えます。

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ドライアイ患者の中枢神経回路の変化を調査

ドライアイ患者の中枢神経回路の変化を調査

機能的MRI(fMRI)は、脳の活動を実時間で見ることができる強力な技術です。この技術を使って、ドライアイの患者の脳の中の神経回路の変化を調べることで、痛覚過敏型ドライアイと呼ばれる痛みに敏感になるタイプのドライアイのメカニズムを理解する手がかりが得られるかもしれません。fMRIは、脳の中の血流の変化を捉えることで、どの部分が活動しているかを示すことができるのです。

ある研究では、ドライアイの患者と健康な人を対象にfMRIを行い、脳の活動の違いを比較しました。ドライアイの患者の約70%が、痛みを感じる部分である島皮質や前帯状皮質で異常な活動が観察されたそうです。これにより、痛みに敏感になるタイプのドライアイの存在を裏付ける証拠が得られました。

さらに、fMRIを使えば、どの部分の脳が異常に活動しているのかを特定し、その部分がどのように症状と関係しているのかを調べることができます。患者が強い痛みを感じる瞬間に、特定の脳の部分がどの程度活動しているかを測定することで、その関係性を明らかにできるかもしれません。

痛覚過敏型ドライアイとは

ドライアイは一般的に、涙の量が少ない、または質が悪いために目が乾燥する状態のことを指します。しかし、最近の研究では、涙の量や質が正常であっても、強い乾燥感や痛みを感じる患者がいることが分かってきました。

この「痛覚過敏型ドライアイ」は、単に目の表面の問題だけでなく、脳の中の神経回路の変化が関係していると考えられています。つまり、目の乾燥感や痛みを感じるのは、脳内の神経系の異常が原因となっているのではないかということです。

これまでのドライアイの理解では、涙の物理的な側面に注目していましたが、痛覚過敏型ドライアイの場合は、脳の働きにも着目する必要があります。fMRIなどの脳機能イメージング技術を使って、ドライアイ患者の脳活動の変化を調べることで、この病態のメカニズムが明らかになってくると期待されています。

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痛覚過敏型ドライアイ患者の痛みを感じる脳領域に異常な活動があった

痛覚過敏型ドライアイがあるかどうかを確かめるには、いくつかの段階を踏む必要があります。

まず、ドライアイの患者と健康な人を対象にfMRIを行い、脳の活動の違いを明らかにします。その際、ドライアイの患者の中でも特に強い乾燥感や痛みを感じるグループに注目します。

次に、得られたデータを基に、痛覚過敏型ドライアイの患者の脳の中で、特定の部分が過剰に活動していることを示します。痛みの程度を8点以上と感じる患者の脳の活動を調べて、特定の脳の部分が異常に活発になっているかどうかを調べたそうです。痛覚過敏型ドライアイの患者の80%が、痛みを感じる脳の部分で異常な活動を示していたそうです。

このようなデータが集まれば、痛覚過敏型ドライアイの存在を科学的に証明することができます。さらに、これらのデータを活用して、新しい診断基準や治療法の開発につなげていくことができるかもしれません。

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脳活動が正常化し、症状が改善する場合、その治療法は有効である

脳活動が正常化し、症状が改善する場合、その治療法は有効である

ドライアイの患者の脳の中の神経回路の変化と症状との関係を明らかにするには、詳しいデータ解析が必要です。具体的には、fMRIのデータと患者の日々の症状の記録を比べて、どのような脳の活動パターンがどの症状と対応しているのかを明らかにします。

ドライアイの患者の症状の記録とfMRIのデータを照らし合わせたところ、痛みの強さと脳の中の特定の部分の活動が強く関係していることが分かりました。この研究では、痛みのスコアが高い患者ほど、島皮質や前帯状皮質の活動が大きく増えていることが確認されたそうです。

また、ドライアイの患者が特定の治療を受けた後の脳の活動の変化を追跡することで、その治療の効果を評価することもできます。ある治療法を受けた患者の脳の活動が正常に戻り、症状が改善した場合、その治療法が有効であることを示す証拠になります。ある研究では、特定の目薬を使った患者の80%で、fMRIでの脳の活動の正常化と共に症状の改善が報告されたそうです。

※特定の眼薬について知りたい方は、ぜひ文献を調べてください。自分自身が使ったことは無いですし、はっきりと確認できている情報では無いので、ここで直接製品名を記載するのは止めておきます。ヒントしては、総称名:レ〇〇〇ドの可能性があります。

眼薬の治療を希望される場合は、まずは信頼できる医療機関を受診し、専門の医師と十分に相談することが重要です。また、眼薬の効果や副作用についても詳しく説明を受けましょう。自己判断での使用は避け、必ず医師の指導のもとで治療を進めるようにしてください。あなたの健康と安全を第一に考えた上で、適切な治療を受けることが大切です。

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まとめ

ドライアイについての理解は、どんどん進化し続けています。今までは、ドライアイの原因を涙の量や質の問題だと考えていましたが、最近では脳の中の神経回路の変化にも注目するようになりました。この新しい視点によって、ドライアイについての理解が深まってきています。

特に、fMRIという脳の活動を見る技術を使った研究により、痛みに敏感になるタイプのドライアイの存在とその仕組みが明らかになりつつあります。この新しい知見は、ドライアイの患者さんにとってより適切な治療法を開発する可能性につながると考えられます。

注意してもらいたいことは、涙の量や質に問題がないと感じている人でも、ドライアイの可能性があるということです。最近の研究では、涙に異常がなくても、強い乾燥感や痛みを感じる患者さんがいることがわかってきました。つまり、目の症状だけでなく、脳の中の神経回路の変化が関係している可能性があるのです。