保育園の年中から年長にかけて、朝の寝起きの娘の機嫌がとてつもなく悪かった時期がありました。
当時の娘は、目を覚ました時に同じ部屋の中に両親のどちらかがいないと、「こっち来て~!」と怒った声でと親を呼ぶんです。
呼ばれたから部屋に入ると、娘は布団をバシバシ叩きながら半分泣いて怒っているんです。
こちらが「何で怒っているの?」と訊くと、「目を覚ました時に誰もいないから!」と娘は言うんです。
子供なので寂しい気持ちはあると思うのですが、親の思いとしては少しでも長く寝かせてあげようという優しさと、正直なところ、娘が起きているとこちらの朝の準備が全然思ったように進められなくなるので、静かに寝かせてあげているつもりなんです。
「怒り」に対して「怒り」をぶつけてはイケナイ
娘の朝ご飯の準備をしてから自分自身の出社のための身支度をしているので、朝の時間はとても忙しく、心に余裕を持って行動することができていません。
こちらとしてもなるべく朝はギリギリまで寝ていたいので、なるべく朝の準備に時間をかけないように計画して行動しています。まずは娘の朝ご飯として、飲み物と一口野菜と果物にパンをお皿に乗せて朝食の準備をし、自分自身は、朝にシャワーを浴びる派なのでトイレとシャワーを浴びる準備を始めます。
娘が寝ている部屋の隣のキッチン&リビングで朝食の準備をしているので、目を覚ました娘はリビングのドアを開ければそこに親はいるんですけど怒るんです。
こちらが寝室に行くまで、娘はずっと怒り口調で呼ぶんです。こちらもただでさえ時間が無いのに、なぜ怒り口調で呼ばれないといけないんだというイライラが重なって、ついつい、
「 わけのわからんこと言ってないで、さっさと起きてきなさい!!!」
と、強めの口調で無理やりリビングに来させようものなら、機嫌が悪いまま起きてきて、しばらくふてくされているから、娘に朝食を食べさせるにしても着替えさせるにしてもさらに時間がかかり、自分自身の朝の身支度がさらに遅くなってしまっていました。
これがしばらくずっと続いていました。
気持ちを1回切り替えて、最初に「同調」することから始めてみよう
雑誌かネットか忘れてしまいましたが、『 子供は共感や同意をしてほしい生き物 』という記事を読んだことがありました。
子どもが小さい頃は、親に共感や同意をして欲しい気持ちが強いそうです。
記事は、『 いったん子供の感情に同意した上で、理由を伝えてみましょう 』と結論されていました。
娘が怒っている感情を上回る「怒り」で押さえつける方針を続けても良い方向にはいかないだろうということは感じていたので、「怒り」で押さえつけるやり方を変えてみました。
相変わらず目を覚ました時に「目を覚ました時に誰もいない!」って怒る娘に対して、イメージとしては迷い人を天使が羽でやさしく包み込むかのように、「そうだね~。さみしかったよね~。」と、やさしく抱きしめながら同意の言葉を何回か伝えて、娘の怒りがちょっと静まった頃に、やさしく「でもね。お父さんもお母さんも朝の準備で忙しいから仕方ないんだよ」と伝えるいうことを数日間続けてみました。
「顔洗って、歯磨きして、トイレ行って、君の朝食を作るから忙しいんだよ」のように具体的な内容は必要ありません。
たぶん理解できないと思いますので、ただただ子どもの気持ちに同意して、ちょっと子どもが静かになった頃に「君の気持ちはよ~くわかるけど、忙しいから仕方ない」ということを伝えていました。
同調と抱きしめの効果は、すぐには表れません。根気よく続けましょう。
やさしく抱きしめながら「そうだよね~。さみしかったよね~。」と娘の気持ちに同意し、娘の怒りが少し静まった頃に、やさしく親が一緒に起きてあげることができない理由を伝える行動を2週間ぐらい続けていたかもしれません。
その日は突然おとずれました。
いつものように娘の朝食の準備をしていると、リビングのドアの陰に人の気配がしたので目を向けると、娘が静かにドアを開けてそこに立っているではありませんか!
「ぅわっ!」と声が出るほどすごいびっくりしました。
びっくりして思わず丁寧に「お、おはようございます」と声をかけると、娘はちょっとムッとした顔で、
「一人で起きてきたんだから誉めて!」
と言ってきたので、とりあえず、
「すごいね~。一人で起きることができたね~。」と誉めると、
ニンマリした顔をして朝食の置いてあるテーブルに向かって歩き、椅子に座って朝食を食べ始めました。
大きな変化が娘に現れたのは、娘の怒りに同意し続けてきた効果だと思っています。
他の要因でここまでこちらの好都合に変化をしたとすると、全く心当たりがないぐらい何もしていません。
この日以降、娘は目を覚ましても怒り声で親を呼ぶことがなくなり、一人で目を覚ましたあとは、静かに起きてくるようになりました。
娘が一人で起きてきたときには、笑顔で
「おはようございます。一人で起きることができたの?すごいね~。」
と、笑顔で伝えるようにしました。
力で押さえつけるのではなく、まずは自分自身に余裕を持とう
寝起きに怒っていることは少なくなりましたが、時々は、怒り口調というか不安の声で親を呼ぶことはありました。
親が部屋に入ると機嫌が良くなるので、きっと変な夢を見て寂しくなったのではないかと理解し話しかけていました。
自分自身も娘に呼ばれた時に部屋に行けるような時間を持つため少し早起きするようにしました。
また、娘が一人で起きてきた時には笑顔で迎えることができるように余裕を持つようにはしています。
てぃ先生も実践!?
SNSの総フォロワー数が160万人を超えるインフルエンサーとても活躍中のカリスマ保育士・てぃ先生てぃ先生も実践している朝ぐずって起きない子が機嫌よく起きるスゴ技が解説されていました。
子どもは安心感が何よりも大事なんですね。
日中はママパパにほめられたり抱っこしてもらったりすることで、安心感を得ることに必要不可欠なオキシトシンというホルモンの分泌につながります。それがあるからこそ、行動しようという意識が生まれやすいんです。
朝はまだそのホルモンが少ない状態なので、安心感が薄い状態。そんな不安定な状態に「はい、起きて!」「いいかげんに起きなさい!」「早く起きないと遅れちゃうよ」「早くごはん食べて!」と、安心感とはほど遠い言葉をかけると逆効果になり、いっそうぐずってしまうんです。
ですから寝るときと同様に子どもに対して「大好き! アイラブユー!」って気持ちを伝えながらスキンシップをすることで、不安が払拭されて、機嫌がよくなりやすいんです。
てぃ先生が実際に試して効果のあった伝え方
てぃ先生も実際に試して効果のあった伝え方と同じ対応方法です。