マンションを売りに出してから3か月から半年以上購入者が現れないとだんだんと心配になってきます。
心を冷静に保とうって思っていてもお金のことなので冷静になんてなれるわけありません。
ましてや、マンション売却で得られたお金を次のローンの支払いや相続税の支払いにしようと考えていたら期日が迫ってくるので焦る一方です。
さて、前回の「中古マンションを含めた不動産市場の購入分析」からの続きです。
不動産会社と専任媒介契約をしてマンションを売りに出すことにしたからといって、全てを不動産会社任せにすることはできませんでした。
オープンハウス(購入希望者への内覧会)をするまでに少しでも購入意欲を持ってもらえるような状態に室内をしておかなければいけません。
また、オープンハウスの来場者数やアンケート結果から、購入してもらうために改善できるところがあれば、不動産会社と連携して解決していかなければいけません。
専任媒介契約することにした不動産会社の決め方
悩みに悩んだ末、自分自身が専任媒介契約した不動産会社は、住んでいたマンションを建築し販売した不動産会社と契約することにしました。
理由のひとつとして、マンションの管理会社がこの不動産会社のグループ会社だったのもあり、売却活動中に何らかの情報が必要となった場合に円滑に行うことができると考えたからです。
別の理由として、中古とはいえ元々はこの不動産会社が売主として建設したマンションなので、売れ残り続けるようであれば自社ブランドの低下になるかもしれないと懸念して販売に力が入るかもしれないと考えたからです。
結果としては、この不動産会社と契約してよかったと思います。
マンションを売却に出す前の準備
住んでいたマンションの売却は空室状態にしてから売りに出しました。
購入者からすると見学した状態の室内で購入をすることができるので、見学時と同じ状態で引渡しができることがメリットになります。
マンションの室内の掃除
住んでいたマンションから引っ越した後に、室内をしっかりと掃除をすることができなかったので、ハウスクリーニングをお願いすることにしました。
専任媒介契約した不動産会社経由です。
費用は約5万円でした。クリーニング作業は、ほぼ丸一日やってもらい、夕方頃に自分自身が室内を最終確認して、掃除が足りないと思われる箇所を指摘すると、その場で掃除をしてもらえました。
主な指摘個所は、浴室のタオル掛けのバーの水垢、室内窓のカーテンレールの上の埃、キッチン周りの壁紙に付いた小さなシミでした。
室内の壁紙の張り替え
二重サッシの窓ではないマンションだったので、冬場の窓の結露には正直困らされていました。
ひどい時には、窓に付く水滴は、ガラスの半分以上になり、特に北側の部屋の結露が酷く、窓の前にタンスを置いていたため窓に付いた結露を拭くことも掃除もすることができず、推測ですが結露の水が垂れてサッシから溢れ、タンスの裏の壁紙が剥がれてしまっていました。
建築当時の壁紙は廃番になっていたため、部屋全体を似たような壁紙に替えることになりました。4畳半ぐらいの部屋で費用は約8万円でした。
壁紙は廃盤になるものが多いので、張り替えをする場合は費用がかさみます。
不動産情報サイトに載せる「おすすめコメント」について
不動産情報サイトに載せる「おすすめコメント」は、売主だっとはいえ、こちらが思っている以上の内容を不動産会社が作ることはできないと思います。
新築時に扱っていたといっても建築時は販売会社へ委託している売主の会社も多いし、販売が終わってしまうと管理会社に任せてしまうので記録も曖昧なんです。
少しでも購入検討者に興味を持ってもらうように不動産情報サイトの「おすすめコメント」は、自分で良いところ羅列したものを載せてもらうようにした方がいいと思います。
新築で購入した当時のチラシが残してあれば参考になります。
マンション敷地内の駐車場は必要か?
マンション敷地内に駐車場を契約している方は、その駐車場の権利は次の購入者に引き継ぎすることができるのか確認しておきましょう。
自分自身はこの確認を怠っていた(全く意識していなかった)ので、売り出し中にマンション敷地内の駐車場の権利を管理規約に沿って返上することになり、その後、駐車場が無いということで売却に至らなかったこともありました。
自分が所有していたマンションは、市内からちょっと離れており、駅から徒歩10分以上あったため購入希望の方は駐車場は必須条件となっていました。
都内や市内の交通に便利な立地にあるマンションの場合は、逆に駐車場が余ってしまっているところもあるようですので、マンション敷地内に駐車場を持っている人は、その権利を次の購入者に渡すことができるかどうかの確認はとても大切です。
一般的に管理規約には、駐車場の権利は、居住している方が優先されるようになっており、区分所有者でも居住していなければ駐車場の権利を保有し続けることが難しくなっています。
規約の駐車場の権利を持つことができるのは、「区分所有者」になっているのか「居住者」になっているのかも気をつけなくてはいけません。
自分が所有していたマンションは「居住者」になっていたため、引っ越しして空室状態で売却しようとしていたので、駐車場の権利を管理組合に返すことになってしまいました。
じゃぁ、購入者が入居後に駐車場の権利の申請をすればいいのではないかと思ったのですが、次の理由で無理でした。
区分所有者が駐車場の権利を2つ持つことができる場合でも、駐車場の権利を持っていない居住者から申請があると、駐車場の権利を2つ持っている居住者は、1から3ヶ月の間に駐車場の権利を持っていない居住者に駐車場の権利を1つ渡さないといけない規約になっていることが多いです。
3か月以内に家の近くで駐車場が見つかる保障はありませんので、たとえ駐車場の権利が余っていて、親子でそれぞれ車を持ちたい方がいたとしてもマンション内の駐車場を借りようとしません。
駐車場が余ると管理組合の収益に影響することになります。
管理組合によっては、「駐車場の権利を2つ持っている場合、駐車場の権利を持っていない居住者から申請があった場合、その居住者に渡さないといけない」規約を変えて、駐車場の権利を2つ持っていても、駐車場の権利を持っていない居住者に渡さなくても良いように規約を変更している管理組合もあるとは思います。
ただ、「いつかこのマンションを売ろう」と考えている方には、改悪になってしまいます。
自分が住んでいたマンションがそうでした。
規約の変更をした時は、マンションを売却することは考えていませんでした。それが自身を苦しめる結果になってしまいました。
自分が所有していたマンション売却の時は、不動産会社の協力があり、マンション近くに駐車場を借りて、購入者にそこの駐車場の権利を引き継ぐようにしました。
移動手段として車が必要な地域に住んでいたので、この駐車場問題は本当に大変でした。
マンションが売れない期間中の悩み
マンションの売却を決めてチラシをポスティングしてから、内覧希望者があっても購入に至らないと「本当に売れるのか」と不安になっていきます。
内覧者が何組かあってもマンションが売れない
マンションが売れない場合、対策として以下の2つに分かれると思います。
- 専任媒介契約をしている不動産会社から違う不動産会社に契約を変える
- 売却価格を下げる
専任媒介契約をしている不動産会社を違う不動産会社に変えることでマンションが売れたという事例もあるようですが、なぜ売れたかというとその不動産会社の集客力の差が効いたのだと思います。
不動産会社としては「なるべく自社だけを通じて売りたい」と考えているので、専任媒介契約をすることでチラシをポスティングしてくれますし、不動産情報サイトにも積極的に載せてくれますが、購入希望者から専任媒介契約不動産会社に問い合わせが来るようにしているので売却までに時間がかかってしまいます。
専任媒介契約をしている不動産会社の手数料は下がってしまうので、ほとんどの不動産会社はやりたがらないと思いますが、他の不動産会社も扱って良いように契約不動産会社から働きかけをしてもらうことができる場合があるかもしれません。(「じゃあ”一般媒介”でやってください」と言われそうですが。)
あなたの契約した不動産会社が他の不動産会社へも紹介をする会社であれば、よほどのひどい担当者に当たっていない限り、不動産会社を変えても大きな変化はないと思います。
売却しようとしているマンションと全く関わりの無かった不動産会社と契約した場合、内覧希望者からマンションに関する質問があった時の返答に時間がかかってしまう場合もあります。
自分が専任媒介契約した不動産会社は、オープンハウス(内覧会)前にはチラシをポスティングしてくれて内覧会を積極的にしてくれました。
敷地内の駐車場の権利が無くなった時も近くの駐車場を探してくれました。
ただ「売れない」という理由で不動産会社を変えることはしない方がいいと思います。
なぜ売れないのかの状況を不動産会社と一緒に考えてもらうためにも最初に専任媒介契約をする不動産会社がマンションに対してきちんと対応してくれそうなのかを見極める必要が大切だと思います。
もし売れていないのであれば、まず最初に「なぜ売れないのかの状況を不動産会社と一緒に考える」ことをしましょう。
某不動産会社のブログに「売れないマンションはない」という記事がありました。
つまり、「売れないマンション」=「マンションの価格と価値が見合っていないと判断されている」ということです。
周辺マンションで過去に安く売却されているような記録があると、その金額に引っ張られてしまう傾向あると思います。
同じマンション内での売却の記録も同じです。今の時代は過去の売却価格がすぐにわかってしまうので、ある意味適正な金額でないと売ることができなくなったのかもしれません。
売りに出した時期で購入までの期間が延びる?
マンションの購買意欲が高まる時期を外していると、売れにくいのかもしれませんが、データをみても年間を通じて成約件数に大きな差はありません。
<中古マンションや不動産の売買意欲動向や成約相場についての投稿記事はこちら>
購買意欲が高まる時期に売りに出すことも大切だと思いますが、「マンションを売りたい」のであればまずは価格を相場に合わせることが重要だと思います。
実録:所有しているマンションが売れた
所有しているマンションは5月に売りに出しました。
売り出し価格は、仲介業者が持ってきた第三者評価会社の査定+100万円です。
+100万円にした理由は、買付申し込みの際に値引き交渉が入ると助言があったからです。
実際に買付申し込みがあったのは翌年の1月でした。
約9ヶ月かかっています。
1月から3月はマンションの購買意欲が高まり成約件数が増える時期ですので、この時に価格を大幅に見直しました。
見直す時に参考にしたのは、過去の周辺マンションの成約時の㎡単価でした。
個人的に売れてほしい価格よりは下がりましたが、「売りたい」気持ちが優先したので、過去の成約㎡単価に合わせました。
その影響なのか1月の引き合いは大きく伸び、無事に買付申し込みがあり、順調にいけば来月引き渡しになります。
「売りたい価格」で売れなかったのは残念です。
売り出し中に不動産会社を通じて、内覧者のお財布事情を訊いてもらいました。
購入を考えている方は、「購入予算」=「マンション価格」+「リフォーム費用」+「諸費用」で考えている方が多く、「マンションの付加価値」を見てもらえている方はいませんでした。
何だかんだとブログに書きましたが、結局は価格かもしれません。。。