マンションを売りに出してから売却・引き渡しが完了するまでの期間、給湯器を使ってお湯を出すことをしていなかったため、ガスを止めていました。マンションを売りに出してから売却が成立するまでの期間は半年以上かかりました。売買契約書を交わして無事にマンションを売却することができ、引き渡しも完了して安心していた矢先に、仲介業者から電話がありました。
売却したマンションの給湯器が壊れていた
「買い主様から連絡があって、給湯器からお湯が出ないそうです。」
と言われたので、
「じゃあ、修理しましょう」
と返答しました。ただ、引き渡し直後の故障のため、
【瑕疵担保責任(引き渡し後7日以内に故障を申し出れば、修理費用は売主が負担する)】により、こちらが修理費用を負担しないといけないようでした。そういう契約とは説明を受けていましたが、いきなり経験することになるとは思いませんでした。
買い主に修理対応を任せて、修理費用をこちらへ請求してもらうこともできるそうなのですが、どういった内容でどういった修理したのかも分からない作業に対して、言われるがままに費用を支払うほどの度量がなく、仲介業者の話によると給湯器の交換になることも多々あり、その場合は30万円近い費用が発生しますと伝えられたので、こちらが納得できる作業なのかを知るために、修理業者とのやり取りと買い主の間に入らないといけない大変さと不便さは想像できましたが、売主である自分自身で修理業者を呼んで対応することにしました。
ガス給湯器の修理業者は下請け?
まず、買い主の奥様に電話で確認すると、
「ガス業者がガスの開栓時に給湯器からお湯が出るか給湯器作動確認したときに、お湯がでなかったそうです」
と知らせてくれました。立ち会いの奥様は機械のことはさっぱり分からないため、ガスの開栓をした業者に電話して詳しく故障内容をきいてから修理業者に電話しました。
修理業者といっても、名古屋界隈の都市ガスは東邦ガスが仕切っているといっても過言ではなく、今回壊れた給湯器の管理も東邦ガスであったため、東邦ガスのカスタマーセンターに電話しました。東邦ガス経由で修理担当者からこちらの携帯電話に連絡が来ましたが、東邦ガスの下請けと思われる会社の担当者でした。あとから分かったことですが、ガスの開栓に来た担当者は、この下請け会社に所属している人でした。にもかかわらず修理業者の対応は、故障内容を伝えても「もう一度実際に見に行かないと分かりません」と一方的に言ってきました。この時点で、まず第一に担当者間の連携の悪い会社の印象を持ってしまいました。
修理部品の在庫を持たない修理業者
翌日、再度、修理業者が給湯器の事象を確認すると、水量サーボという部品が故障しているということでした。どうやら、給湯器の中で蛇口とお風呂の配管が別になっており、蛇口からのお湯は出るのですが、お風呂の「自動お湯はり」ボタンを押してもお風呂の配管ラインにこの水量サーボが切り替えないためエラーが発生し、「自動お湯はり」が止まってしまうことでした(実際の作業を見ていないので電話による報告です。)
これで修理してもらえると思っていたら、
「今日は部品を持っていませんので、事務所に戻って明日修理します。」
と電話口で言われてしまいました。
「水回り系のトラブルなのに、ある程度の部品は持ってこないの?」
と思いましたが、それを言ったところでどうしようもないので翌日まで待つことにしました。買い主の奥様にも修理業者から説明してもらいました。
だんだん、修理業者の顧客対応に疑問を感じる
翌日、修理が終わったと思われる時間を過ぎても業者から電話が無いので、夕方にこちらから電話をすると、
「事務所に部品が無かったので注文しています。1週間ぐらいかかると思います。」
と電話口で伝えられました。部品が無いのは仕方ないとして、1週間待つのにそれを連絡してこないのは顧客対応としてどうなんだろうと思いました。
その後、部品は3日程度で届いたようで、交換作業をしてもらいました。
・・・でも直りませんでした。水量サーボに切り替え信号を送っている電装基板も壊れていたみたいでした。簡単に
「電装基盤も壊れています」
と言ってきましたが、追加部品が発生したということですよね?
「信号を送っている基板が壊れているんだったら、水量サーボは壊れていなんじゃないの?」
って訊いても、
「電装基板は水量サーボに信号を出していましたが、水量サーボが信号を受け取っているのに動かなかったため、最初に水量サーボを交換しました。信号を出している電装基板が壊れているとすると、それによって水量サーボに影響を与えているかもしれないので、両方を交換した方が良いと思います。」
と回答されました。
うーん。それは電装基板が壊れていて、水量サーボに影響を与えているんだとすると、水量サーボは電装基板によって壊れているんじゃないのかと心配になりました。かといって、話せば話すほどどんどんヤヤコシイ方向にしかいかないような気がしたので、すんなり納得できる内容ではありませんでしたが、ごねると買い主に迷惑をかけることになるので、水量サーボと電装基板を交換してもらうことにしました。こちらは平日の昼間は仕事をしているため実際の部品交換作業を見ることができなかったのもあり、上手くごねることができないと思ったのも理由の一つです。心配したように、電装基板の在庫も無く、今度は1週間待たされることになりました。
1週間後、水量サーボと電装基板が交換されて修理は完了し、買い主への対応は終わりました。(この時は、こちらに一切連絡は無く、買い主の方から「交換してもらいました」の連絡をもらって交換作業がされたことを知りました。)
修理業者からの連絡はないまま、後日、修理業者から請求書が届きました。請求明細の表記の方法にビックリしました。
最後までこちらの不安を裏切らない修理業者の対応
部品代(基板。水量サーボ) 一式 ¥43700
技術料 一式 ¥12900
出張費 一式 ¥2700
このたったの3行です。噂で聞いている大手人気携帯端末メーカーの修理対応のような明細です。(東邦ガスから独占的に仕事をもらっているから)客商売として認識していないんじゃないかと疑いたくなるような印象を持ちました。
とりあえず部品代以外に12900円もする「技術料」について電話して質問をすると、技術代というのは、部品に付いてくる交換技術料金のことらしいです。車のディーラーへ車の修理を出すと、部品に対して交換技術料が付くので、これと同じ様なものなんだと思います。とはいえ、車のディーラーから出てくる請求書または見積書には、きちんと部品と技術料の明細になっています。「一式」なんていう書き方はしていません。部品に対して技術料が決まっているのであれば、その内容の明細をだしてほしいとお願いをしました。その明細が届くまでに20日ほど待ちました。あまりにも届かないので2回督促しています。やっと出てきた明細が以下の通り。
電装基板¥37800(技術料¥8640)
水量サーボ¥5940(技術料¥4320)
出張費¥2700
ちなみに消費税は含まれているようです。
給湯器の寿命
マンション購入から売却をするまで7年でした。ガスの使用を止めていた期間が約8ヶ月。この間に給湯器が壊れてしまいました。給湯器の寿命は一般的に約10年といわれていますが、あくまでメーカーが言っている事で、おそらく技術的な根拠は明確なものは無いと思います。車と一緒で使用し続けることも機械が壊れないようにするのに必要なことだと気が付かされました。
また、給湯器が壊れた時に仲介業者から聞いた「給湯器の交換になることも多々あり、その場合は30万円近い費用が発生します」というのは、もし今回の給湯器が10年を過ぎていたら新品交換の見積を出されていたのではないかと思うと、すこしホッとしました。
給湯器の修理業者は1社ではないし、今回はすでに売ってしまった物件の給湯器の修理だったため、正規の業者を使用して修理しましたが、この修理業者の対応力を経験すると、今後、今住んでいる住居の給湯器の際は、他の業者を選択すると思います。
最後に気がついたことは、今回の修理作業は、順番に部品を交換していって最終的に給湯器が動くようになった修理でした。顧客が入手・作業できない修理部品に対して、部品代以外に技術料を別途請求するのは、顧客の足元を見ているように感じました。
給湯器を含めた水回りのトラブルは、作業前に見積りを出し難いのは何となくわかるのですが、今回の場合は、修理業者の顧客対応が悪すぎて、水回りトラブル修理業界に悪い印象を持ってしまいました。
給湯器修理後の反省
引っ越し後のマンション売却の時にはガスを止めていると思います。マンションの売買が成立した後、引き渡し前にガス会社に電話すると、ガスの開栓とは別で、給湯器の作動確認用としてだけ一時的にガスを開通してくれるようです。たぶん立ち会わないといけないと思いますが・・・。
今回は、売却した後の物件の給湯器が故障したため、給湯器に貼られていた連絡先に電話しまいたが、もしまだ自分が住んでいたのであれば、素直に給湯器に貼られている会社に連絡はしません。
メーカー直下のサービスは高いというのは世間では相場です。そして、そのメーカーからスピンアウトしたような人が会社を立ち上げて、顧客目線の適正価格で作業をしてくれるところもあります。
作業をしないと見積が出せませんという前に、ある程度の見積を出してもらえれば、新品への交換も検討できると思います。メーカー直下の修理業者から買う新品は、メーカー目線の適正価格になってしまっていますが、メーカーとの関係が薄そうな修理業者であれば、たとえ新品でも工事費を含めてリーズナブルな価格が出てくると思います。多少時間がかかっても相見積をして、その会社の対応姿勢を比較するのも一つの手だと思います。