便秘は、日常生活の質を著しく低下させる問題です。それは、体調不良だけでなく、気分も沈みがちにさせます。しかし、この問題に対しては、様々な解決策が提案されています。
便秘は、単に「出にくい」だけでなく、体に様々な問題を引き起こします。便秘が続くと、腸内で老廃物が滞留し、それが毒素となって体に影響を及ぼします。これにより、肌荒れや吹き出物、頭痛、口臭などの体調不良を引き起こすことがあります。また、便秘は腸の働きを鈍らせ、消化不良や食欲不振を引き起こすこともあります。
さらに、便秘は心の問題も引き起こします。便秘が続くと、体が重だるく感じられ、気分が沈みがちになります。また、便秘による体調不良はストレスを引き起こし、それがさらなる便秘を引き起こす悪循環を生むこともあります。便秘が続くと、日常生活における活動量が減少し、社会生活にも影響を及ぼすことがあります。
しかし、便秘は決して無視すべき問題ではありません。食生活の改善、適度な運動、ストレスの管理など、日常生活の中で取り組むことができる解決策があります。また、医療機関での相談や治療も有効です。
今回は便秘解消に効果が期待できるツボについて、科学的な研究を見つけたので記録として残しておきたいと思います。
便秘解消に効果が期待できるツボの効果
まず、便秘解消に効果が期待できるツボとして代表的なものに「天枢（てんすう）」や「大腸兪（だいちょうゆ）」があります。これらのツボは古くから東洋医学において便秘に効くとされ、多くの人が実践しています。
これらのツボは、指圧や鍼灸などの方法で刺激することが一般的ですが、簡単に自分で行うこともできます。これらの方法がどのように便秘に作用するのか、そのメカニズムについては、腸の蠕動運動を活性化させる神経反応が関与していると考えられています。
天枢（てんすう）
天枢は、おへその左右に位置し、大腸の働きを助けるとされています。指圧やマッサージで刺激することで、腸の動きを活発にし、便通を促進する効果が期待できます。
大腸兪（だいちょうゆ）
大腸兪は、腰部にあるツボで、こちらも便通を促進する効果が期待されています。特に、慢性的な便秘に対して有効とされています。
非侵襲性の微細突起による皮膚(ツボ)への刺激
常葉大学の沢崎健太教授(研究代表者)の論文では、「非侵襲性の微細突起による皮膚刺激」が大学生の便秘に及ぼす影響について研究調査されています。
この方法は、微細な突起を持つデバイスを耳甲介腔に貼付することで、皮膚を軽く刺激し、便通を改善することを目的としています。
この研究では、便秘の事前調査を回収できた280名の中から、研究趣旨に同意が得られた17名が対象となりました。微細突起を耳甲介腔に各自貼付するS群（9名）とプラセボP群（8名）に分け、便秘（CAS-J）、体重、体脂肪率、血圧の評価を行いました。
その結果、S群では介入開始前と比較して研究終了後にCAS-Jが有意に低下（P=0.02）したのに対し、P群では有意な差は見られませんでした。また、両群ともに体重、体脂肪率、血圧は研究終了後に有意差は見られませんでした。
非侵襲性の微細突起による皮膚刺激が大学生の便秘に及ぼす影響
この研究は、耳甲介腔への微細突起による非侵襲性の皮膚刺激が便秘の改善傾向を示し、特にセルフケアの一手段として活用できる可能性を示唆しています。
ただし、この研究はあくまで一部の大学生を対象としたものであり、全ての人に同じ効果があるとは限らないことを理解することが大切だと思います。また、新たな治療法を試す前には、必ず医療専門家と相談することが重要だと思います。
耳甲介腔への刺激
耳甲介腔は、耳の内側のくぼみに位置し、多くの神経が集中している部分です。この部分に微細突起を貼付することで、神経刺激が行われ、腸の動きを活発にする効果が期待されています。
非侵襲性の利点
この方法の大きな利点は、非侵襲性であることです。すなわち、針や手術などの侵襲的な方法を使用せずに、簡単に便通を改善する効果が期待できる点です。また、副作用が少ないため、多くの人々にとって安全な方法といえます。
微細突起とは
微細突起とは、非侵襲性器具のことで、特殊なプラスチック樹脂で形成された微細な突起『マイクロコーン』のついた絆創膏をツボに貼ることで、皮膚表面へ刺激を送り続けることができます。「ソマニクス」ブランドで販売されているものが有名なようです。上記の文献では、ソマレゾンS3型が使用されていました。
まとめ
便秘解消のために、これまでの従来のツボを押すことと、新たなアプローチとして非侵襲性の微細突起による皮膚刺激の両方を行うことが有効かもしれません。
これまでの従来のツボを押すのは、手軽に情報を得ることができます。詳しい情報を見つけることができれば自分自身でもおこなうことができると思います。
「非侵襲性の微細突起による皮膚刺激」は基本的は専用のデバイスを使用します。医療機関で手に入れることができるものが多いです。その分、費用も必要です。便秘を解消するのに薬に手を出すことに抵抗がある方にはおススメできる選択肢になると思います。
それぞれの方法がどのように便秘に作用するのか、そのメカニズムの違いを理解することで、自分に合った方法を見つけられると思います。
