※2023年度用に更新しました。
所有しているマンションを売却する時に、販売価格と仲介業者を決めることに労力を使います。
販売価格を決めても仲介業者を決めることはできませんが、仲介業者が決まれば販売価格はおおよそ決定します。
何度も書きますが、仲介業者の査定価格=売れる価格ではありません。
販売価格の決定権はマンションを所有している貴方自身にあります。仲介業者は過去のデータから販売価格を導きだしているだけで、現在の購入意欲とか購入意識のデータは入っていませんし、首都圏のマンション価格のデータを地方都市のマンションの査定に当てられても査定価格が上がってしまう結果になるだけです。
新築マンション購入に対する意識調査
2023年4月にスタイルアクト株式会社から「第61回マンション購入に対する意識調査」が公表されました。(※この意識調査は新築マンションを検討しに販売センターへ行った方へのアンケート結果です。中古マンションの購入意識とは別です。)
本調査は、自社Webサイト「住まいサーフィン」の登録会員29.2万人のうち、 直近3か月間に新築マンションの販売センターに行った経験がある人のみを対象とし、マンション購入に対するアンケートを実施しています。 当社では購入検討者の心理を四半期単位で時系列比較しています。(第1回は2008年4月、今回で61回目)
分析結果から、『今は売り時だと思う』と回答する割合が70%を超え、売り時と感じている人が増加していることが分かりました。売り時DIは前回比で+7.8ポイントと2018年ぶりの高い水準となっています。
一方で、購入したい物件数は減少傾向にあり、東京23区では半数以上の人が0件と回答しています。新築分譲マンションは供給が限られ、特に都区部では高値の花とも呼べる状態が続いております。結果、東京23区除くエリアでは3割超の人が『戸建ての購入意欲が増した』と回答しています。■■ 要旨 ■■
☑ 売り時DIが前回比7.8ポイント増、売り時と感じている人が増加
☑ 購入したい物件数は減少傾向にあり、東京23区では半数以上が0件と回答
☑ 東京23区外では3割超が戸建て購入意欲が増したと回答(※1)買い時DI:マンションを「買い時だと思う」の数値から「買い時だと思わない」の数値を差し引いて算出した値。
※この調査結果の詳細は、住まいサーフィンでもご覧いただけます。
アンケートは四半期ごとに行なわれているため、第59回は2022年11月、第60回は2023年1月、第61回は2023年4月のアンケート結果です。
前回のアンケートの結果では、『1年後のマンション価格が下落する』と回答している割合が4期連続で上昇していました。
ただし、住宅ローン金利上昇の懸念もあり、買い時DIが前回比10ポイント減少していました。しかしながら、購入意欲が増したと回答する割合は半数近くにものぼり、依然として高かったです。
新築マンションは高い(ロケーションや専有面積、設備仕様と比較して)という印象を持っている方が増えているということがわかります。3割超が新築マンションの購入を止めて、戸建て購入意欲が増しているようですが、残りの方は中古マンションの購入を検討しているのではないでしょうか?
中古マンションの成約・在庫価格推移
公益社団法人中部圏不動産流通機構(通称、中部レインズ)には、中部圏市場動向として中部レインズに登録されている物件情報を、各県別及びその主要都市(県庁所在地)ごとに集計してあります。
戸建て・マンション別に、その面積・築年数から集計し、その土地ごとの平均価格・平均面積を知ることができます。
公益財団法人の不動産流通機構は他にもあります。
- 公益財団法人 東日本不動産流通機構( 首都圏不動産流通市場の動向 )
(東日本地域1都1道15県) - 公益財団法人 近畿圏不動産流通機構( 不動産市場動向について )
(近畿圏2府4県) - 公益財団法人 西日本不動産流通機構( 市場動向データ県別等レポート )
(西日本地域17県)
「季刊サマリーレポート」から自分自身が住んでいる愛知県の「中古マンション成約・在庫価格推移」のデータを見てみます。
在庫マンションの件数(件)、㎡単価(万円)、平均価格(万円)、平均面積(㎡)の4つ全てが1年前と比べると増えています。過去2年分を見ても在庫マンションの「㎡単価」は上がり続けています。しかしながら成約マンション数は増えていませんし、成約㎡単価が在庫㎡単価よりも低い状況です。高値で売却に出したけれど、売れずに残ってしまっていることだと思われます。
中古マンションの売買の動きが多い月
成約・在庫価格推移を見るとはっきりするのですが、一般には2~3月の春の幼稚園や小・中学校に入学するタイミング、9~11月の秋の転勤などの異動のシーズンに不動産の取引が活発になります。
この時期以外でも売買はされていますので、あまり関係ないかもしれませんが、取引が活発の時の方が購入意欲が高まりますので、少々価格が高くても売れる可能性はあると思います。(ちなみに自分が所有しているマンションは、1月に購入の申し込みがあり2月に契約に至りました。)
中古マンションを購入する場合、新築マンションと違って“ 抽選 ”システムはありません。
購入申込書を出した早い者順です。
取引が活発になっている時には、他のマンションと迷っている間に、他の購入希望者が申込書を出してしまう可能性があるため、少しだけ売り手市場になるのではないでしょうか。
マンション購入者のトレンドを知ろう
自分自身が専任媒介契約をした仲介業者は、新築マンションの販売もしており、名古屋市内に限定した最近のマンション動向として「駅に近くて通勤に便利なマンション」が人気のようです。
現在または今後建設されるマンションのチラシを見ていても「駅近」は必須条件となってくるような気がします。
もし貴方が所有しているマンションの売却を考えているようであれば、購入希望者が求める条件のトレンドが含まれているかを考慮して売却価格を決めると少しは売れやすくなると思います。